ガラスの工面

南京錠くんとハゲしくさん 16
前回のあらすじ


網入りガラスを防犯用だと思っている人は多いようです。
補強が入って割れにくいというイメージから防犯に向いていると勘違いしてしまうのかもしれません。

実はこのガラス、防犯用ではなく防火用です。

火災の際は熱によりガラスが割れますが、その破片が散乱するのを防ぐために金網(ワイヤー)が入っているのです。
ですので割れにくさは普通のガラスと同等で、場合によっては熱膨張の関係で勝手に割れる事もあります。

冬の寒い朝、網入りガラスに朝日が当たると冷えたガラスより中の金網の温度がドンドン上がりやがて・・・という感じです。



強化ガラスはその名の通り、普通のガラスよりも強く硬く作られています。
人がぶつかっても割れにくく、また割れても怪我をしにくいように破片は粉々になります。

しかし硬い反面もろいので、先の尖ったハンマーなどで簡単に割る事が出来ます。
やはりこちらも住宅の防犯には不向きです。

車のサイドやリアガラスに採用されているのがこの強化ガラスです。
以前はフロントガラスにも使われていたのですが、現在は合わせガラスを採用しています。
これにより、以前多かった衝突時のフロントガラス貫通事故が減ったそうです。

複数のガラスの間に乾燥空気等を封入したものを複層ガラスと呼びます。
遮音・断熱・結露防止等、メリットの多い複層ガラスですが、使用しているガラスが普通のガラス2枚なら防犯効果はないも同然です。
1枚または2枚以上を合わせガラスにする事で、複層ガラスのメリットを受けつつ防犯性能も上げる事が出来ます。


ガラスとガラスの間に強靱で柔軟な中間層を挟んだものが合わせガラスです。
その中でも中間層の厚みが0.76mm以上の物を防犯ガラスと呼びます。

強い衝撃を加えると防犯ガラスといえど表面は割れてしまうのですが、穴を開けるには至りません。
中間層とその後ろのガラスを人の力で貫通するのは非常に困難です。

とはいえ、空き巣やドロボウに狙われて割れたガラスをそのままにしておく訳にはいきません。
狙われやすい窓もありますから、その度に防犯ガラスを交換していたらお金がいくらあっても足りません。

防犯ガラスには、それと分かるようにステッカーが貼ってある事が多いので、知ってる空き巣は敬遠します。
ところが、あまり知識のない空き巣日本語が読めない空き巣も増えていますので、ステッカーも見ずに割られてしまう事もあります。

見やすい位置に分かりやすくセキュリティの高さをアピールする事も重要な防犯につながります。
危険の近づかない家を目指し、バランス良くセキュリティを高めていきましょう。

過信は禁物です。